第10章

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「親元にいないようだ」 「はぁ……」 「はぁって……知ってたのか?」 「いえ……僕は何も……」 知ってるも何も 何て答えたらいい? 「今回の生徒たちが自主退学を申し出た一件も――実際のとこ彼が絡んでるんじゃないかって噂を小耳にはさんでね」 「なるほど」 これ以上ない乾いた声で僕は頷く。 「君が来るまでは比較的大人しい生徒だったようなんだがね?」 どこまで知ってるのか知らないが 校長はあからさま僕を非難する口振りで話を進める。 「とにかく、一度本人と面談するように」 「面談ですか……?」 「その後、できれば親御さんも交えて話し合いの機会を――」
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