第10章

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第10章

誰もがギリギリのところで生きている時代だと思う。 いやもしかしたら全くそんな風に感じていない人間もいるかもしれない。 『サランハダ、韓国語、意味』 『告白、ウソ』 『告白されてすぐフラれる』 グーグルで調べても調べても調べても 納得できる答えはただの一つも見つからなかった。 「須賀先生――須賀先生ちょっと」 校長に呼ばれているのにようやく気付いて 「あ、はい!」 僕は慌ててスマホをしまい席を立つ。 「まったく最近の若い教師は――」 後ろの席から聞えよがしの嫌味を言うのは 例によって学年主任の谷だ。 あの日テヨンに釘を刺されてからは 保身のためか僕にちょっかいを掛ける事はなくなった。
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