特別な日

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今日はきっと、特別な日になる。 そう確信しているのには理由がある。 1つ目は、このところぐずついた天気が続いていたが、今日はいいお天気だということ。ちゃんとお日様まで顔を出している。 2つ目は、化粧のノリが良かったこと。昨日の夜中にパックをして早めに寝た甲斐があった。 そして3つ目は、なんてったって今日が日曜日であるということ。 花屋で働く紫藤麗(しとうれい)にとって、定休日である日曜日は一週間のうち唯一自由の利く日。 午前、お日様にパワーを貰いながら洗濯物をベランダに干し、家の支度を早めに済ませて外出の準備を進める。 昼ごはんまでの時間はいつもお気に入りのカフェで本を読むのが日課なのだ。 今日は天気も良いし、先週新調した新しいワンピースでも卸そうか?それとも、店長にも可愛いと評判だったノルディック柄のニットにしようか? そう考える時間も、平日にはない至福の時間である。 そんなこんなで今日はいつもより服選びに少し時間がかかってしまった。 時計を見るともうすぐ11時を回る頃だった。 最後に鏡をチェックして、お気に入りの靴に足をおさめてドアを開けた。
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