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俺は身長も頭も普通で、学校にもΩであると認知されているから、同級生に馬鹿にされたり軽蔑の目で見られたり、いじめに近いことをされたこともある。
小学校中学校のときは特にひどいもので、分別のついていない子供はなんでもできる。
残酷なことを何の気なしにできてしまうから、心身共に痛い思いをたくさんした。
高校生になってからは、「差別をなくそう!」という考え方が世の中に広まり、表面上はそういうことが少なくなったが、昔から続いていたものをいきなりなくすというのは無理な話だ。
もう2年の一学期も残りわずかだというのに、今だ同じクラスの生徒とほとんど会話をした事がない。したとしても必要最低限のやりとりだけ。
Ωへの偏見や差別は今もなお続いている。
でも、実際もうそんなのどうでもいい。
だってセックスが気持ちいのに変わりはないし!発情期は辛いけど、秀と過ごすと頭の中が空っぽになるくらい最高ーー・・!!!
気持ちいいことをしていると、何もかも忘れられる!
セックスしている時はαに生まれてきてよかったってそう思えるから・・
秀とのセックスは最高。
だけど「運命の人」とするセックスはどれ程気持ちいいんだろう・・?
最近そればかりを考えてしまう。
怖いけど、知りたいー・・
「・・・そういえば、正哉」
「ん?」
秀の声で思考が切り替わる
「発情期が来たときのこと覚えてる?」
「えー?まあ?」
発情期が来たときってあの帰り道だよね?
「なんで?」
「なんか、いつもと様子が違ったから」
「いつもと・・」
「急に倒れたから、びっくりした」
「確かに・・」
あの時は急に体が熱くなって頭の中がグルグルして、意識がブッ飛んだ。あ、それに・・
「なんかの匂いもした気がする・・」
「・・・・ふーん」
そのにおいを嗅いだら急に熱くなったんだ。
秀が少し曇った顔をしていたような気がしたけど、疲れたので寝た。
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