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「あとなんか、すげえ股間痛いんだって!変なウイルスだったらどうしよ」
「ソレハトテモシンパイデスネ」
「あれっ小雪ちゃんも顔色悪くない!?」
「イタッテケンコウデスヨ」
困惑しきった顔で覗き込む今次さんから目をそらし『ゆっくり休んで下さいね』というメッセージを梶浦さんへ送る。
すぐに『ごめんね』というスタンプだけが来たから、得体の知れない激痛の原因は忘れているようだ、ひとまずセーフ。
あとで西奴さんにも体調は大丈夫か伺い、そして昨日のことは決して口外しない様お願いするとして・・・
野上編集長と同じ類なら2、3日は出てこれないだろうし、しばらくは梶浦さんの抱えている作業も全て引き受ける覚悟でいなければ。
気合入れるために栄養ドリンクでも買い込んで来ようかな、とパチパチ頬を叩く。
すると今次さんが突然、先ほどと打って変わってヘラヘラした笑みを浮かべた。
「俺がダウンしたら、小雪ちゃんが看病してね。ナース服はいらないよ、素肌で添い寝してくれたら一発で治ってそんで一発」
「ええ、今次さんにふさわしい科にすぐ連行しますのでご安心を」
「相変わらずだねぇ。じゃあナース愛実のとこにお注射しに行ってきまーす」
馬鹿でゲス極まりない言葉を吐き、お花畑患者は出て行った。
あの人こそ高熱出して寝込んで、なんなら一度入院した方が良いんじゃないだろうか。
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