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「じゃ、行こっか」
女子大生モデルの一人が清十郎の腕に両手を絡める。
「比べるまでもないし」
もう一人がもう片方の腕に抱き付く。
「圧勝(笑)」
最後の一人が背中に抱き付く。
女子大生モデル達は手慣れていた。
普段から同じような事をゲーム感覚でやっているのかも知れない。
カップルから男を略奪するゲームを。
「離してくれる?」
今まで聞いた事もない冷たい声で、清十郎は言った。
「えー?ノリ悪くない?」
そんな言葉を意に介せず、女子大生モデル達を振り解く。
そして清十郎は私の方に歩み寄る。
「比べるまでもない」
そう言うと、清十郎は私を横から抱きしめる。
「彩の方がずっと綺麗だし、可愛いよ。圧勝」
清十郎は私を見詰める。
ドキドキする。
「は?なにそれ?」
「チョー白ける」
「バッカみたい」
女子大生モデル達は捨て台詞を吐いて、人混みの中に消えていった。
「行こう」
清十郎は私の手を握り、歩き出す。
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