秘密を知られた女教師の私と図書室の彼

1

私は高校で女教師を務めている。
名前は　綾瀬川　彩（あやせがわ　あや）。
私は同僚の体育教師が嫌いだ。
身体を鍛えているのは個人の自由だから、別に良い。
ただ、その筋肉を女子生徒に触らせているのが気色悪い。
勿論、その体育教師の方から触らせている訳では無い。
筋肉の一部を動かして、アピールするのだ。
そうすると、何人かの女子生徒は『きゃー、せんせースゴーイ！触ってもいいですかー？』なんて、子供らしからぬ媚びたような声を出す。

更に言えば、知人の女にも嫌いな奴がいる。
中学生の時は高校生の男と付き合い、高校生の時は大学生の男と付き合い、大学生の時は社会人の男と付き合う。
そして、社会人になると上司と不倫をする。
今ではその上司にも関係を断たれ、独り身だ。
若い時には年上の男と付き合っておきながら、自分よりも年上の男が次々と身を固めると、今度は年下の女と付き合う男を批判し出す。
やれ幼稚だ、やれロリコンだ、やれ見っとも無いだ。
自分が若い時には同い年の男を幼稚だと良い、年上の男を包容力がある、とか大人の男、だとか言っていたのに。
彼女が批判する年下の女と付き合う男も、彼女が若い時に付き合っていた男も、同類だと私は思う。
だから、立場が変わったからと言って意見を変える人を私は信用しない。
私は真面目で正常な恋愛を求める。
彼氏いない歴、年齢だけれども。。。。。。

私は自分が嫌いだ。
何故なら、言行不一致だから。
今まで、同い年の男の人を探していた。
生徒にデレデレする体育教師や、年上の男とばかり付き合う知人とか、軽蔑していた。
私は私と同い年の男の人と、最初で最後の、終わることの無い恋をするんだ。
そう思っていた。

でも、違った。

私は今、放課後の閑散とした学校の図書室で、男子生徒とキスをしている。

私は、私が嫌いだ。