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放課後。
私は図書室に行く。
この高校の図書室は中々蔵書が豊富で、気に入っている。
それなのに生徒達は利用しない。
勿体無い、と思っていたけれど、今はその方が良い。
放課後の図書室は、私と清十郎だけがいれば、それで良い。
図書室に入り、周囲を見回す。
奥の方を見に行っても、清十郎はいない。
ひょっとしたら、枝野由香と帰ったのだろうか?
もやもやする。
「先生」
清十郎が私を呼ぶ。
何時の間に図書室に来ていたのだろう。
後ろから包み込むように私を抱きしめる。
「何見てるの?」
清十郎は私の視線の先に有る本を見た。
本当は、ただうなだれていただけなのに。
「源平合戦の研究・平清盛と宋銭。。。。先生って、本当に読書好きだよね」
「え、うん。それしか趣味無いし」
音楽鑑賞と映画鑑賞も好きだけど、世代が出るから言わない事にした。
雅楽と小津安二郎について話しても盛り上がらないだろうし。
、、、、世代は関係無いか。
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