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祭りが始まったばかりでもあり、トイレはそれほど混雑していない。 私はトイレの個室に入り、ふと思った。 もしかすると、私がトイレに行きたそうなのを見て、清十郎はああ言ったのだろうか。 私の方が大人なんだから、しっかりしないと。 私がトイレから出ると、清十郎は浴衣を着た三人組の女性に取り囲まれていた。 大学生ぐらいだろうか? 明らかに私よりも若い。 そして私よりも綺麗だ。。。。。。 「ねぇ、お兄さんかっこいいね。和服似合ってる」 「うちらと遊ぼうよ」 「あたしらモデルやってるんだよね。だから、そこらへんの男は相手にしないけど、お兄さんかっこいいからさ、どう?」 モデルなんだ、確かに、スタイルも良い。地味じゃないけど、派手すぎない。 「俺、高校生だから、あんた達よりも年下だよ」 清十郎、俺って言うんだ。なんだか冷たい感じがする。 「えー?高校生なんだ、見えなーい」 「うんうん、同じ大学の男よりもずっと良いよ」 「あたし年下でもOKだよ」 もう!清十郎が困ってるの分からないの!? 「俺、彼女と来てるから」 彼女!私の事か!?清十郎は私と夏祭りに来たんだから、私の事だ。 私の事、彼女だと思ってたんだ! 「えー?絶対うちらの方がその子よりもイケてるって」 「比べてみてよ、その子と」 「あたしらの方が勝ってたら、あたしらと回ろ」 何それ?カツアゲじゃん。 「で、その子、どこにいるの?」 清十郎はトイレの方を見る。 見つかった。 「えー?あの子?」 「あの子って言うか」 「おばさん(笑)」 女子大生モデル達は私を見て嘲笑する。
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