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花火の打ち上げが始まった。 人混みの動きが激しくなる。 「始まったね」 そう言って清十郎は夜空を色彩豊かに染める花火を見上げる。 「ここからだと、よく見えないね」 そう言って私はこの先の段取りを頭の中で組み立てた。 「移動しようか」 清十郎は私の手を引き移動しようとする。 「待って、向こうから行った方が良いと思う」 私は別方向に清十郎の手を引く。 「詳しいんだ」 「うん、私、この近くに住んでるから」 私は清十郎を連れて人混みから抜け出す。
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