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「ここら辺、あんまり人いないね、、、、花火も見えないけど。どこに向かってるの?」 「実はね、私の家から、花火が見えるの」 どうしよう、言ってしまった。拒絶されるだろうか? 「、、、、そうなんだ、上がっても良いの?」 それは私個人の感情を聞いているのだろうか。 それとも、私の公的立場から倫理的正当性を尋ねているのだろうか。 どちらで有るにせよ、私の答えは決まっていた。 「うん、、、、良いよ」 私がそう言うと、清十郎はそれ以上は何も言わなかった。 多分、私が考えている事が清十郎にも伝わっているんだと思う。 何だか気恥ずかしい。
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