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私の、不格好で、魅力的とは言えない安アパートに着いた。 カンカンカン、と言う階段を上る時の金属音が鳴らない様に忍び足で上った。 幸い、私も清十郎も和服を着ていて、草履を履いているから音はほとんど鳴らない。 僅かに軋む音がするだけだ。 財布から鍵を取り出し、解錠して扉を開ける。 暗く狭い我が家の窓から、花火が見えた。 「綺麗だね」 清十郎は花火を見てつぶやく。 扉を閉めて、鍵をかける。 電気も点けずに、暗闇の中で清十郎を抱き寄せてキスをした。 「先生?」 清十郎は戸惑う。 何となく予想はしていたのだと思うけれど、それでも戸惑っているのだろうか。 「名前で呼んで」 私はそう言って、清十郎に抱き付く。 「、、、、彩」 清十郎が囁く様に私の名を言葉にする。 「清十郎!」 私も清十郎の名を言葉にして、熱く爛れた口付けを交わす。
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