03.夏の夜の夢を

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三十九度の蕩けそうな日に。 まだまだ祭を満喫している馬鹿が二人。 というか夜なのに三十九度ってなんだ。どんだけ熱帯夜だ。 「昼に雨が降ってたような気がしたんだけどなあ……」 雲ひとつない、快晴の中での雨だったからあまり気温を下げる役には立たなかったか。 しかし、そんな熱帯夜だというのに、水槽に入れられた金魚たちはなお元気で。 「……よくまあそんなに動き回れるもんだ」 穴の開いたポイを見つめ、苦笑ひとつ。 「あっはっは、残念だったねえ」 金魚すくいの店主がからからと笑う。 昔からどうにも この金魚すくいというものが苦手で、まともに取れたためしがない。 「だって、動くんだぞ。金魚が」 「動かずに水面に浮かんでる金魚は、それはそれで問題だと思う」 隣で呆れた声をだすのはイトコ。俺より一つ下の小五。 「金魚すくいも出来ないだなんて――あーちゃん、まだまだだね」 にやり、と笑うイトコ。不敵だ。でも言っておくけど 今回ダメダメなのは利き手をお前が握ってるからだぞ。 「あーちゃんはまず店選びから間違えてる」 ほほう?モナカタイプの方がよいとでも? 「それは人それぞれだけどね。ただポイには     
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