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四号から八号までの号数がある。数が大きければ大きいほど
紙が薄くなるから難しくなるんだ。
あーちゃんが使ってるのは七号だから、厚くは無いよね」
ああなるほど、別の店にいけと。
納得した俺の目の前に突き出される、1つのポイ。
「――そしてこれは、別の店からこっそりパクってきた六号ポイ!」
「いや色々な意味で駄目だろソレ! 他の店のを使おうとするなよ!
ていうかパクんなよ!」
「正義の為には多少の犠牲もやむを得ないってテレビで言ってた!」
「正義ないよ!? 今現在のお前の状況なにひとつ正義が無いよ!?
いいからポイを返してきなさい! どこ!? どこのお見せのポイなの!?」
「あそこー」
指さした方を見てみると、確かに金魚すくいの店があり、別のおっちゃんも居て――
「……えっぐ、ふっぐ、ぐすうぅぅっ……」
「――泣いてるよ!? 大の男が本気泣きしてるよ!?お前一体何やったの!?」
「それじゃあいっきまーす」
「聞けよ! 俺の言葉を聞けよ! スルーして金魚すくいやろうとするなよ!
お店のおっちゃんも何か言ったげて下さいよ! 駄目だって!」
「あはは、お手柔らかにねー」
「なんで許可してんの!? 駄目だって言おうよそこは!」
夜店の店主、笑顔のまま。
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