03.夏の夜の夢を

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「……その子の親には借りがあってねー。 主に金銭的な意味で」 「聞きたくなかったよ!? そんな裏事情聞きたくなかったよ!?  というかやめて! 子供の小さな騒ぎに  大人のドロドロした事情持ってくるのやめて!」 「なんで騒いでるのかよくわからないけど、いくよー」 「お前はお前でマイペースだな畜生!  駄目です! 使っちゃ駄目! 捨ててきなさい!」 「……ぐ、えぐっ、ふぐ……っ」 ……嗚咽もらしながらそのやり取りを聞いていた、 イトコにポイを奪われた金魚すくいの店主Bがつぶやく。 「……ポイをポイしてきなさい……っ」 「聞こえてるよ!? しっかり聞こえちゃったよ!?  実は余裕だろアンタというか頼むから  ツッコミ対象増やすのやめてぇぇぇぇぇ!」 いつまでも続くかと思われた俺の叫びは、イトコが発した水しぶきで終わった。 ……イトコよ、水しぶき立つほど力いっぱいぶん回してたら ポイの号数なんて全く関係ないと思うのだがどうか。     
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