03.夏の夜の夢を

5/8
前へ
/78ページ
次へ
バスが揺れる。 なんとか最終バスに間に合い、揺れながらイトコの家に向かう。 ちょっと前まではしゃぎまわっていたイトコは ガソリンが尽きたか現在肩にもたれかかって眠っている。 「すかぴー」 眠りながらも手を離してくれないのはなんだろね。 それにしても、と思う。 「祭、開催して良かったよなあ……」 昼は日が照っているのに雨が降っていて 夜の祭はどうなるかと思っていたけど。 「……ふにゃ」 むくり、と身を起こすイトコ。 「今、どこー?」 寝ぼけ眼でご質問。それを窓の外に指さす事で回答。 窓の外に広がるは湿地帯。イトコの家から そう遠くない場所にあるはずなのでもうすぐ到着する。 と。 「あれ?」 バスの窓から見える光景に首を傾げる。 このあたりはずーっと湿地帯なので家は無い。 だというのに誰も居るはずの無いその場所で、 何故か青白い炎が発っていた。     
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加