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しー、と唇に人差し指をあてて笑う。
そんな俺をじっと見つめたあと。
「……うん、なんか良いね、その響き」
満面の笑みで了解。左手の小指をたて、俺に差し出す。
「――」
一瞬考えた後、ああ、と頷き。
「離すぞ?」
「許す」
何様だお前。
笑いつつ、握られた手をほどいて小指をたてる。
これは二人だけの秘密だと。
「「――ゆび、きった!」」
約する為に。
あれは例えばサンタクロースのような、多分大人にとっては
鼻で笑ってしまうような類(たぐい)のものなのだろう。
「あの日、あの場所で映画の撮影してたんだよ」とか、
もしくは夢だった、で片付けられてしまうようなそんなもの。
けれど、子供である自分たちにとっては間違いなく貴重で。
だから、誰にも言わずにそっと仕舞っておく。
派手に騒いだり大人に告げればきっと壊されてしまうだろうから、
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