2人が本棚に入れています
本棚に追加
三十九度の蕩けそうな日に。
祭にはしゃぐ馬鹿が二人。
「……なんだフォアグラ焼きって」
町を広々と使った祭は人でごったがえしていた。
当然夜店も多種多様。だから一つくらい珍しい店が出ていても
不思議はない、のだけど。
「……うん、やっぱりおかしいよね。フォアグラ焼き。
夜店で売るもんじゃないよね。
ていうか絶妙に高いよね。一串二千円て夜店の値段じゃないよね」
「ふぁーふぁーふぇっふぉふぉふぉー」
隣でイカを口いっぱいに頬張らせているのは、イトコ。一つ年下の小五。
何か言おうとしているのはわかるのだが。
「ふぇふぉ(もごもご)ふぁふぇふぁ(もごもご)ふぉふふぁ(もごもご)」
何言ってるかわかんねえ。
「……喋るか食べるかどちらかにしてくれ」
「ふぉ」
ちょっと考え。
「ふぁふぇふぁふぁふぁふぃふぉふぃふぇふぉ」
「そこは食べろよ!」
咀嚼やめても口に入ってるなら意味ねえ。そもそもいつの間に買った。それ。
最初のコメントを投稿しよう!