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世界から戦争が消えた日
今日って何か特別な日だっけ?
クラッカーの盛大な音で帰宅を出迎えられた俺は、とりあえずスマホのカレンダーを確認した。
この年で盛大な物忘れか、という危惧は杞憂に終わり、スマホのカレンダーには予定の記載なし。
「よし、理由を聞かせて貰おうか」
「今日は特別な日です」
心臓に悪い出迎え方をしてくれた張本人であり、俺の嫁さんであり、メガネっ娘であり、そして亜空間てき発明家である愛華は俺の質問にこう答えた。
「何の日だっけ? 俺が心臓マヒで死ぬ予定の日?」
「まさか。それは……まあ良いや、違うよ」
俺が義務付けているポニーテールの後ろ髪をぶんぶん振り回し、彼女は否定した。
メガネでポニーテール、そして野暮ったい服装。
俺の萌えポイントを全て詰め込んでいるその姿には日々感謝しかないが、今の答え方はまあ良くない。
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