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「四次元空間って圧力鍋の中で作れるんじゃないかって」
話の続きを聞くんじゃなかった。
「それで、圧力鍋をちょっと改造して作ってみたのがアビスちゃんです」
「え、この子、うちの圧力鍋がベースなの?」
「そう。だから寸胴」
おい、アビスちゃんが泣き出したぞ。
「スタイル抜群が良かった……」
さめざめと泣くアビスちゃんが不憫だ。
「アビスちゃん、ちょっと不安定なのよね。多分、体内にある四次元空間のせいだと思うんだけど……」
「え、この子、体内に四次元空間入ってるの?」
「だって、圧力鍋がベースだもの」
世間では圧力鍋で料理をするんだ。四次元空間を作るための物じゃない。
「それでなんでメイド型ロボットに?」
「違うよ。メイド幼女型ロボット」
「どうでも良いけど」
「ほら、圧力鍋って自分で何にもできないじゃない?」
「普通はそう」
「てことは、私が頑張らなきゃ四次元空間が作れないのね」
「ふむ」
「でも、よく考えたら、圧力鍋で自分で考え、作業する存在であれば、自力で四次元空間を作ることができるじゃない」
「ふむふむ」
「自分で考え、作業する力があるなら、私達のお世話もついでにして貰おうかなって思ったわけ」
「ふむふむふむ」
「で、結論がアビスちゃん」
さすがは亜空間発明家。
思考ルートが分かっても理解できない。
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