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2月14日。天気、晴れ。
絶好のバレンタイン日和。
よーし、やってやる。
私は、晴れあがる空に向かって、制服姿で拳を突き上げる。
学校が終わったら、ついに告白タイムだ。
「何やってるの?」
隣から出てきた佑太が、あきれたように私を見ていた。
「気合、いれてたの」
「ずいぶん顔色悪いけど、寝不足?緊張して、眠れなかったとか?」
佑太が、にやにやしながら言った。
「仕方ないでしょ。今日は、最後の決戦なんだから」
佑太は、あっそ、と無愛想に言って、ぐっと拳を握る私を置いて駅に向かって歩き出した。
「今日の夕方、見ていなさいよ」
その背中に向かって言って、私も歩き出した。
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