第1章

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 しばらくして正常な意識を取り戻すと、 彼はあれこれと考えた。 (夢は殆んど毎日見るが、 今回は今まで見た事がない程の不快な夢だ。  夢では、 視覚だけではなく、 聴覚、 嗅覚等が、 何らかの刺激を感じるらしい。  リアル過ぎるが、 正真正銘の夢には違いないだろう。 彼女は外にいるから寒いのだ。 訴えが現実だとすると、 外は相当に寒いようだ。  やや、 突然、 冷たい空気が喉に流れ込んできたぞ。 おかしい! 室内にいる俺の全身を、 真冬のような冷気が覆うなんて……。 まして、 ここは二階だから、 どんな方法で彼女は、 窓の外に浮かんでいられるのだろうか? ハシゴかキャタツでも使わない限り、 人間では窓外に留まっていられない。 霊なら、 そんなものは不要だが!)  そんな疑問の解答を模索している、 まさにその時だ。
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