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「ああああああぁぁぁぁ、
ふああああああああぁぁぁぁ……」
勉は、
顎が外れる程の大欠伸≪おおあくび≫をし、
頭を何度も何度も左右に振り、
奇怪な夢の記憶を追い払おうとした。
だが、
それは無駄な行為に終わった。
悪夢の残さいが、
彼の脳から去らなかったからだ。
今度は、
排気ガスが薄く汚した天井に向かって、
家が壊れんばかりの大声で喚いた。
「馬鹿野郎―。
卒論の大馬鹿! 馬にけられて死んじまえ! クソッタレ! アホタレ!」
めちゃくちゃな言葉を並べ立てて、
今までにたまりにたまったウップンを、
ほんの少しだけ減少させた。
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