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「また、
書きかけの卒業論文の夢かよー。
原稿に足が生えているように、
いくら逃げても凄いスピードで、
モタモタと逃げている俺を追いかけてくる。
いい加減にして欲しいよ、
ったく! でも、
いくら大声でぼやいても、
今までの経験からして、
悪夢が、
記憶から消えてなくならないのは、
俺自身よく心得ているが……。
コンチクショウ。
バカタレ。
気味の悪い夢が、
肌にまだまとわりついているようだ。
クソー、
体から悪夢が抜けないぞー。
昨晩も徹夜で『経済学方法論とその確率的合理性』という卒業論文に挑戦していたが、
ペンは遅々として進まないし、
おまけに金縛りにも苦しめられた。
……ったく、
俺は踏んだり蹴ったりの目にあわされた!」
普通の人間の肺活量では、
こんなにも長いセリフを大声で喚く事なんて、
とても不可能だ。
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