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机上には、
参考にして卒論を書いていた九冊の繰り返し何度も何度も読んで、
ボロボロになった本が開かれている。
彼は、
多量の雨で多くの河川から流入し満杯になったダムが決壊し、
まるで洪水のように襲って来た悪夢に溺れていたのだ。
今回の悪夢は、
これまで経験した事がない程の熾烈≪しれつ≫極まる恐怖を伴っていた。
下着を絞ると、
グッショリと氷のように冷たくなった汗が落ちた。
バスタオルで、
全身をていねいに拭き、
風邪をひかないよう慌てて下着まで変えた。
花が咲き乱れる初夏にはまだまだ遠く、
今はやっと冬を脱した三月初旬だ。
三寒四温の季節だから、
寒い日もあれば暖かい日もあるのは、
当然だろう。
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