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十九課のドアがノックされ、小晴が入ってきた。
時計の針は十七時を指していた。
「たった今、会議が終わりましたので、ご報告させていただきます」
小晴が語ったのは、衝撃の事実であった。
尾形圭悟、有里、涼介の三人が失踪したのは本日の午前十時半ごろ。
圭悟が二人を引き連れて、大きいリュックサックを背負っていたところを、商店街の店主が見かけたのが午前十一時。
その商店街は彼らの自宅から三十分ほど離れた場所にあるため、彼らが家を出たのは十時半ごろであると推察される。
湊人たちが通報を入れたのが十一時半であるため、通報の一時間前に彼らは家を出ていたことになる。
「防犯カメラの映像を見ても、手がかりはありませんでした。そして十二時を少し過ぎた頃、犯人と思われる人物から電話がかかってきたのです。その電話では」
「おい、下谷。何やってる」
小晴の後ろには、見るからに熟練の刑事が立っていた。
「成田さん……」
「十九課なんぞに情報を流すとは。このことは上に報告しておく」
成田刑事は冷たく言い放つと、身を翻した。
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