24人が本棚に入れています
本棚に追加
その重要なことというのは、彼らの年齢である。
香澄は今、二十九歳。長男圭悟は、十二歳。双子の姉弟、有里と涼介は六歳。
つまり、香澄は圭悟を十七歳のときに産んだことになる――計算上では。
だが、調べていくうちに分かったことなのだが、圭悟は香澄が産んだ子供ではなかったのだ。
先妻が産んだ子供である圭悟に対して、香澄はあたりがきつかったようだ。
だから大変な有里と涼介の世話を、圭悟に全て押し付けていたのだ。
「これはひどいな……」
「これで犯人が絞れるかもな。尾形家の、この状況を知っていた人物が犯人である可能性は高いだろう」
湊人の冷静な分析に、翔大は首をひねる。
「俺以外に、あの子らが誰かと親しかった人なんて、おるんかなぁ」
「と、いうと」
「俺が最初にあの子らと話したときも、めっちゃ警戒されたんや。特に圭悟は人見知りでなぁ。そんなあの子らが他人に相談するなんて、考えられへん」
最初のコメントを投稿しよう!