24人が本棚に入れています
本棚に追加
湊人は翔大と共にもう一度、香澄の元を訪ねた。
「何よいきなり」
「あなたの子供たちに、誰か仲が良かった人はいますか」
「知らないわ。けど、『お兄ちゃん』ならよく話してたわね」
「それ以外に、心当たりはありますか」
香澄が首を振ったのを見て、湊人と翔大は顔を見合わせて頷いた。
「もういいかしら?」
湊人たちの返答を待たずして、香澄は扉を乱暴に閉めた。
「『お兄ちゃん』は、恐らく翔大のことだろう。母親の言葉を信じれば、翔大以外に親しい人はいないと見える」
「せやな。ここで一つの可能性が出てくる」
「ああ。それについて調べれればいいんだが……」
湊人は尾形家の扉にそっと目をやった。
最初のコメントを投稿しよう!