警視庁第十九課 『小さな探偵誘拐事件』

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「駄目だ。十九課は捜査に加わっていないだろ。そんな奴らに捜査情報を流すなんぞ、無理なことだな」  小晴の上司、成田刑事が湊人と翔大を前に言い放つ。 「ええんか? あんたも疑問に思ってるんとちゃうんか。もしかしたらこれは……」 「その可能性を疑う刑事は、俺の他にもいる。だがな、警察は組織だ。組織を乱すものはいらない」  そう言って、成田は足早にどこかに向かった。  だが、成田の腕を湊人が掴む。 「それがどうした。俺は、組織の犬になるつもりはない。いつまでもしつこく居座ってやるさ」  湊人は成田の目をじっと見据える。 「あんたは知りたくないのか――この事件の真相を」 「知りたいさ。刑事だったら、誰でもそう思うだろう。だが、規則を破るわけにはいかない。……すまない」  成田は目をそらし、手を振り払って廊下をまっすぐ歩いていった。
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