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とんとん拍子で話は進み、翔大によって捜索願は出された。
「翔大、大丈夫か」
「湊人……。ありがとう」
缶コーヒーを受け取り、翔大はぽつぽつ話し始める。
「あの子らは、俺が高校生やったときからの付き合いでな。あの子らの親がネグレクトやから、俺が下の双子の面倒みてたときもあった」
翔大はコーヒーを一口含んだ。
「やっぱ、無糖は苦いな。あの子ら、どこ行ったんやろうか」
翔大は手の中のスチール缶に目を落とす。
「大丈夫だ翔大。現場は荒らされていなかったから、特に犯罪性があるとは思えない。警察は家出と判断した。時間が経てば帰ってくるだろう」
その言葉を聞いて、翔大はそうやったらええけどな、と呟いた。
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