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翔大は一人、町にいた。
こんなことをしても何の解決にもならない。それは彼自身も重々承知している。
だが、それでも何かしないとあの子たちがどこか遠くに行ってしまいそうで。
翔大は手がかりがないか、町へと来ていたのだ。
「まずはあの子らが行きそうなとこ、探そう。でもまずは」
翔大が歩き出したとき、後ろから肩を掴む人物がいた。
振り返り、その人物を見たとき、翔大の口元にはうっすら笑みが浮かんだ。
艶やかな黒髪、いつも機嫌悪そうに潜められた細い眉。大きな手のひらから伝わる暖かさが、その人物の本質をあらわしているだろう。
湊人、待ってたで。
湊人も微笑を返し、二人は目的の場所へと向かう。
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