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「ちょっと、何よ。こんな時間に」
部屋から出てきたのは、うら若い女性だった。
昼間にもかかわらず、アルコールの匂いがきつい彼女は、尾形香澄。行方不明になった子供たちの母親である。
「お宅の子供さんが行方不明になったと、警察から事情は聞いていますか」
「ええ、聞いてるわ。それが何?」
「それについて何か、心当たりはありませんか」
「何、あなたたち。児童相談所か何か?」
全く子供のことを心配しているそぶりを見せない香澄に、翔大は頭にきたようだ。
だが、一歩踏み出したところを湊人におさえられ、翔大はしぶしぶその場にとどまる。
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