警視庁第十九課 『小さな探偵誘拐事件』

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「香澄さん。あなたのお子さんですよ? 心配じゃないんですか」  香澄はパーマのかかった髪をくしゃくしゃとかきむしり、扉をバンと閉めた。 「どうやら、ネグレクトの疑いは充分にあるな。むしろ確信に変わった」 「せやろ。やけど、ここで話が聞けんとなると、どこ当たればええんやろな」 「行方不明になった子供たちの名前を教えてくれ。そこから色々調べてみよう」  翔大は名前を書いたメモを渡した。 「圭悟(けいご)有里(ゆうり)涼介(りょうすけ)の三人か。了解」  湊人は、どこかに電話をかける。 「……頼んだ」 「電話の相手、小晴(こはる)ちゃんやろ」  翔大の言葉に、湊人は目を丸くした。 「当たり前だ。下谷(しもや)は捜査一課の刑事だろ。俺たちより何かしら情報が集まるだろう」 「今の発言聞いたら、小晴ちゃん泣くで……」  湊人は首を傾げた。
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