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スタイルがいいし、運動神経もいいし。ツンとして見えるけど、天然で、たまに大きく口を開けてバカ笑いをする。そのギャップに女子は萌えるのかもしれない。
そういえばアイツ、俺が知らないことを口走っていなかっただろうか? 好きな人がいるとか何だとか。アイツの初恋は保育園の時の田中くんで、それ以降は皆無のはずだったのに、いつの間に。まさか、幼馴染みの俺……何てことはないだろうな。自問自答しながら、竜也は落ち込んだ。
「おい、ストーカー鷲尾、いつも僕の後をついて来るなよ」
はっと我に返った時には、既に遅かった。聖は数段先の階段の上から、蔑んだ視線を竜也に向けていた。自分でも気づかない内に、聖の近くまで階段を上っていたらしい。
「別に、いつもついて行ってねぇし。りんこりんがカワイイなって思っただけだし」
「りんこりんって、その呼びにくいあだ名……また、全部立ち聞きしてたのかよ。いい加減、僕の弱みを握って、優位に立とうとするのよせよなぁ。性格悪いよ。そういうの、女の子にモテないから。元々、モテてないけど」
「バカ、そんなんじゃねぇ、つうか、さらりと悪口___」
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