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「空知くんの中身は、僕、『葛西聖』。僕(聖)の体の中には、『鷲尾竜也』が入り込んで、竜也の体の中には、『空知兎月』くんがいるってことになるのかな?」
兎月は二人を交互に見て、ルーズリーフに書き込んだ。竜也は声を出さずに頷いて、聖は腕を組んで胡坐を掻きながら、眉間に皺を寄せて、訊ねた。
「もしかして、三人の心と体が、入れ替わったってことかよ?」
「飲み込み早いね、竜也。それと、スカートなんだから、胡坐掻かないでよ。僕のパンツが、ここから丸見えなの、気分悪い」
兎月が目元を隠しながら、聖に注意すると、「すまん」と照れながら、聖は足を閉じて、お姉さん座りをした。
「何か、股下がスースーする。女子ってこんな感じなのな」
聖はスカートのプリーツをいじりながら告げる。
「……ももも問題は、なな何で、こここんな事態に、ななななったっていうことですよね?」
極端にどもりながら、竜也が訊ねる。
「そう、問題はそこだよね」
兎月はシャープペンシルと、鼻の下に置くと唇を尖らせた。両腕を組みなが、「うーん」と唸り声を上げる。
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