1・イケメン×亡霊×まっすぐバカ

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「……確かに。作戦会議しよう。お互いの情報交換をしないと、僕、空知くんの中にいるのに、空知くんのこと何も知らないし。駅前のマック辺りで……あっ!」  兎月は唐突に高い声を上げた。聖と竜也がびくんと肩を震わせる。 「何だよ、急に変な声上げて」 「津田が日誌を書き終えたら、マック行く約束してたんだった。竜也、僕のスマホ貸せよ。右ポケットに入っているだろう? 『事情があって行けない』ってLINEしないと」  兎月が手を出すと、聖はブレザーのポケットからスマホを取り出し、兎月に手渡した。  作戦会議は結局、そのまま屋上の踊り場で開かれた。 「僕と竜也は幼馴染みで、生まれた時から家が隣同士だから、空知くんは竜也と一緒に帰ったらいいよ。で、竜也の家に僕がいても、家族ぐるみの付き合いだから、怪しまれることはないし」 「わ、解りました。あ、あの、鷲尾くんは何か習い事とか、バイトとかしてますか?」 「別に何も。部活も入ってねぇし。従兄の兄ちゃんから、たまにイベントのバイト頼まれるけど、基本、夏休みとか、連休が続く時だし……でも、まさか夏休みまで、この状態が続くってことはないよな?」 「そんなの誰も解んないよ」
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