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聖は溜息を吐いた。三人は向かい合って座り、それぞれの情報交換を始める。
「竜也は僕のこと、大体解ってるよね?」
「まぁ、腐れ縁ですから」
「問題は空知くんだよ。空知くんって、どこに住んでるの?」
「家は学校前のバス停から、バスに乗って15分くらいの場所です。えっと……これからみんなで行きますか? 多分、その方が、説明するより、早いと思うので……」
聖と竜也は顔を見合わせて、頷いた。
「とりあえず、グループLINE作って、緊急用の相談窓口みたいな感じにしようぜ」
「じゃあ、スマホはそれぞれが、自分のスマホを持つってことで。友達からの約束があっても、ボロが出るといけないから、なるべくキャンセルにした方が良さそうだね?」
聖はブレザーをまさぐり、スマホを兎月に手渡した。同じ様に、兎月も竜也にスマホを渡す。
「あ、あの、ボク、LINEやってなくて……どうやってやるのかも、解らないです……すみません」
「え? マジかよ? イマドキ、そんな奴いんの?」
画面を覗き込みながらおどおどする兎月に、
「貸せよ。アプリ、ダウンロードしてやるから」
と竜也が手を出す。スマホを受け取ると、慣れた手つきで操作し始めた。
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