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「一年一組、林凛子って言います。りんこりんって呼んで下さい。私、この間の体育祭で、葛西先輩がリレーで走ってる姿を見て、超カッコイイって思って、一目惚れちゃったんです」
一目惚れ。英語で言うと、love at first sight. 確か、そんな名前の米もあったよなと、聖は関係ないことを考えていた。
「一目惚れって簡単に言うけど、僕、女なんだけど____」
「女の子が女の子を好きになっちゃ駄目ですか?」
凛子は両手をギュッと握り締め、必死の形相で訴えた。
「憧れの先輩ってことじゃなく?」
「Likeじゃなくて、Loveなんです! 私、真剣です! だから、先輩も真剣に考えて貰えますか?」
参ったなぁと、聖は後ろ頭を掻いた。LikeじゃなくてLoveとか、よくそんな恥ずかしいセリフを言えるなぁ。でも、その一点の曇りもないキラキラした瞳と、緊張のあまり荒くなる鼻息から、彼女の本気度が感じられた。
一生懸命な人をバカには出来ない。だから、こっちも誠意を持って返事をしないと。
「ゴメンね、りんこりんの気持ちは嬉しいけど、僕、好きな人がいるんだ」
「え? そうなんですか? その人って、お、女の人ですか? それとも?」
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