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「は? 合コン?」
休み時間になるなり、竜也は聖をベランダに連れ出した。
「今度の日曜なんだけどさ、ここの所、入れ替わりもなくて、落ち着いちゃってるだろう? もし、日曜まで聖が俺のままだったら、合コンに行ってくれないか?」
「えー、やだよ、面倒くさい。竜也のフリしなきゃならないんだろ? それに、入れ替わり問題が解決するまでは、なるべく友達との約束はいれないようにしようって決めただろ? ボロが出るからって」
ポカポカした日差しが心地よい、晴れた日だった。聖はベランダの手すりに寄り掛かり、腕を組みながら、教室全体を眺める姿勢で、つっけんどんに言い放った。
「春休みのバイトで知り合った先輩からの誘いだから、断れないんだよ。合コンの約束も、こうなる前からしてたし」
予想外のバタバタで、約束をすっかり忘れていたのはあるが。
「頼むよ。俺は数合わせで呼ばれただけだし、適当に遊んで帰ってくればいいし、経費は俺が出すし、な?」
竜也は顔の前で両手を合わせ、何度も聖に向かって頭を下げた。
「仕方ないなぁ」
聖は膨れっ面をしながら、後ろ頭を掻いた。
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