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新たな入れ替わりが起こるのではないかと期待もしてみたが、結局、日曜日を迎えても、聖は竜也の中にいた。合コンの日がついに来てしまった。聖にとって、初めての合コンだ。
何を着て行こうかなとクローゼットを開けてみる。竜也の私服はスポーツブラントのジャージが多く、女子受けしそうな、カジュアルな服装は持ち合わせがないようだった。
「竜也がモテないワケが解る」
聖は溜息を吐き、中でも無難そうな、パーカーとスウェットを履き、ブランドのロゴの入った薄手のウィンドブレーカーを羽織った。ボウリングだって言ってたから、スポーティな感じでいいか。スニーカーを履いて、家を出た。
ボウリングの球が勢い良くレーンを転がり、真ん中辺りのピンに当たると、外側に向かってピンがなぎ倒れて行く。ピンが全部倒れたのを確認し、聖は小さくガッツポーズをした。
「すごーい、竜也くん、またストライク」
「イエーイ」
聖は歓声を上げた女の子とハイタッチをした。空いた席に座り、ウーロン茶を飲んで一息吐く。そして、周りを注意深く見渡した。4対4の合コンで、高二の竜也は最年少だった。
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