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男性グループは大学生一年生二人と、高三、一人。相手の女の子は全員、大学一年生だった。聖たちはスポーツやカラオケが楽しめる複合施設に来ていた。未成年ばかりなので、飲み会ではなく、健全な合コンだ。ボウリングでは男女二人ずつの四人でチームを作り、負けた方が次のカラオケを奢る(料金を払うのは男性のみ)という賭け付きのゲームを始めた。
竜也の言う通り、皆が集まった時点で、自分が完璧に数合わせの盛り上げ役だと悟った聖は、元々合コンに乗り気ではなかったし、人間観察することに決めた。
竜也の姿はしているが、中身が女だからか、女の子たちの合コンに掛ける本気度が垣間見える。ばっちりメイクに、雑誌に特集が組まれるような男子受けする格好。さりげないボディタッチ、気に入った男の子を持ち上げる科を作った声。
女の子って見ていて飽きない。天然を装っていても、頭の中は戦略を練る策士だ。少なくとも、このお姉さんたちには、そんなオーラを感じる。面白いのは、男性陣がその策で、手の平に転がされている所である。
「竜也くんの連絡先、訊いてもいいかな?」
「え? 僕のですか?」
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