4・合コン×探偵×ストーカー

10/20
前へ
/128ページ
次へ
 男性グループは大学生一年生二人と、高三、一人。相手の女の子は全員、大学一年生だった。聖たちはスポーツやカラオケが楽しめる複合施設に来ていた。未成年ばかりなので、飲み会ではなく、健全な合コンだ。ボウリングでは男女二人ずつの四人でチームを作り、負けた方が次のカラオケを奢る(料金を払うのは男性のみ)という賭け付きのゲームを始めた。  竜也の言う通り、皆が集まった時点で、自分が完璧に数合わせの盛り上げ役だと悟った聖は、元々合コンに乗り気ではなかったし、人間観察することに決めた。  竜也の姿はしているが、中身が女だからか、女の子たちの合コンに掛ける本気度が垣間見える。ばっちりメイクに、雑誌に特集が組まれるような男子受けする格好。さりげないボディタッチ、気に入った男の子を持ち上げる科を作った声。  女の子って見ていて飽きない。天然を装っていても、頭の中は戦略を練る策士だ。少なくとも、このお姉さんたちには、そんなオーラを感じる。面白いのは、男性陣がその策で、手の平に転がされている所である。 「竜也くんの連絡先、訊いてもいいかな?」 「え? 僕のですか?」
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加