青と、それから

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青と、それから

久しぶりに見た観覧車はやはり大きかった。大人になった今でも俺の成長に合わせて観覧車も大きくなっているんじゃないかと思わせる。それくらいいつでも大きな存在。この側で俺は終わらせると決めていた。 滑り止めつきの軍手をはめ、上へとよじ登っていく。円形になっているため一番内側を上っていくと 意外と上りやすい。そして少しづつ外側へと上る。この高揚感だけで身体が自然に動いた。いつもなら体力が追い付かないだろうが今は無限大の体力とパワーがある。 「人は死ぬために生まれてきた」 その通りだ。だからこそ俺は今こうして死ぬために観覧車の頂上を目指して上る。今日この日を死ぬほど渇望していた。 観覧車の頂上は想像以上に美しい景色が広がっていた。観覧車の窓ごしよりクリアな景色、座っているよりも高い景色。最高だった。頬に吹き付ける冷たい風も何もかも愛おしかった。やはり笑みが溢れる。そして目を閉じる。 俺の身体は浮いた。
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