面接

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面接

 サイコパスは、面接に立ち会った。 「はい、それでは、あなたのお名前を教えてください」  サイコパスは、マニュアル通りに面接を始める。  だが……退屈だ。  この人ですでに20人目だが、ここまでに面白い人が一人でもいただろうか。  即答できる……ノーだ。  同じような制服に身を包み、マニュアル通りの受け答えを繰り返す時間。  全くと言っていいほど、時間の無駄だ。  うちの会社は出身大学に注目を置く方針らしいが、本当にばかげている。  どこの大学を出たかどうかなど、正直意味はない。  大卒でもつまらない人はいるし、学歴がなくても面白い人はいる。   結局のところ、いい大学を出ようが大学を出ていまいが、そんなことで人の価値は測れない。  サイコパスは、無駄な時間にイライラする。 「はい、それでは、次の方お入りください」  これで最後……ようやく面接が終わりを迎える。 「失礼します」  顔の整った、実に大人っぽい男性が顔を出す。  サイコパスは、体の中を走る衝撃に心震えた。  そいつは完全に普通ではなかった。  常人が見ただけでは気づくことができないと思うが、私にはすぐに分かった。  瞳の奥底から溢れるエネルギー、その色はどす黒く畏怖の念を感じさせる。  妙に落ち着いていて、就活生特有の不安や緊張が感じられない。  実際に面接をしてみても、受け答えがしっかりしており、自分の考えに迷いがないように見られる。  私は、明らかに常人より優れているその男に、親近感を覚えた。  私と同じような素質を持っていると確信した。  サイコパスは、サイコパスを見分けられる。
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