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バレンタイン・イヴの13日。
特に約束もしてないし、会う予定もなかったけど……。
要が夜にはアパートに帰っていることを把握していた俺。
事前に連絡することなく、突撃した。
コンコン、コンコン。
俺はいつも玄関のチャイムを鳴らさず、ドアをノックすることにしている。
あの玄関チャイムの『ピンポーン』と言う音は苦手だ。
このアパートの他の部屋にまで俺が要に会いに来たことを知らしめているような気がして。
いつもならすぐにドアが開いて、俺を招き入れてくれる要が……。
出てこない。
ガチャガチャとノブを回してみた。
鍵がかかっている。
もしかしたら眠ってしまったか?
それならば……。
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