バレンタイン・イヴ

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『……………………』 『あ!?聞こえねぇな全然!』 ん? 俺も聞こえなかった。 同じ部屋にいるフィリップに聞こえてないのなら、隣の部屋の俺に聞こえる訳がない。 なんて言ったんだ、要。 『だから……………………』 『おいおいおい!ちっとも伝わってこねーぞ。そんなんで俺のハートを揺さぶれると思ってんのか?もっと真剣にぶつかってこいよ!』 なんか胸がざわつく。 要はフィリップに何を伝えたいんだ? 要の緊張がひしひしと感じられるのは気のせいじゃないはずだ。 きっと真剣な想いを伝えようとしてるんじゃないか。 だけど真剣だからこそ、簡単には言えないのかもしれない。
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