第1楽章 日常Diary

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scene G 軽井沢 G そろそろ食事の時間。 俺の親父は、元、雑誌編集記者。世界を転々としながら、母親が亡くなってからも、俺を一人で育ててくれた。 最初は大変だったらしい。 家にいる事も少なく、俺も寂しがっていたみたいなんだけど・・。 余り覚えていない。 で、いつの間にか、一人で遊ぶ事になれて、今はそれが普通。 で、5年くらい前から、親父は、何を思ったのか、急に農業を始めた。朝は早くから、畑に行き、一旦夕方に帰ってきて、また、何処かに出て行く。 営業回りなのか、飲みに行ってるのか、よく分からない。 ~テーブルに着く~ でも、食事だけは、いつも用意してくれていて、感謝している。 なんだ!また、今日も、マメとかゴマとか、粒々ばっかり! 最近は、こういう豆類を作ってるんだろう。 大豆、小豆、黒豆、ささげ、エンドウ豆、刀豆、荏胡麻、黒ごま、ひよこ豆etc。 あと、お米、麦。 大した料理じゃないんだけど、何故か、俺は、親父の料理が好きだ。 もしかしたら、夜は、料理を習いに行ってるのかもしれない。 食事を終えて、一息つき、テーブルの端に、無造作に置いたさっきのチラシが目に入る。 よくみると、何か書いてある。 営業時間 20時から24時 tel ○○○ー○○ー○○ 営業時間と連絡先だけ書いてあるのか。 Nature Cafe D&G あれ?下に小さく何か書いてある。 Dream&Gloryをあなたに このフレーズ、なんか怪しい。 にしても、夢と栄光って・・・・。 夢かぁ~。 俺、余り考えた事ないなぁ~。 ふぁ~。なんか眠くなってきた。
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