第1楽章 日常Diary

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scene G 軽井沢 へぇー、これが、スバル BRZかぁ。 乗り心地、えらい違うよなぁ。 俺の車、年式も古いし、まあ、当然といえば、当然なんだけど・・・・。 社長 そろそろ、碓井に入るから、二人とも、きちんと掴まっとけよ。 珠喜、G ちょっと、息を飲んで、静かになる。 ブォン、ヴォン~ キュイ~~~~~ン。 エンジン回転数がどんどん上がって行く! ゴシュー!!! クイクイっ! コンコンッ!(ダブルクラッチ) ギュンギュ~~~ン 珠喜 わぁ~~!! お、親父~~!! 俺、まだ死にたくなぃ~~!! 助けて~~~~~。 社長 珠喜、お前、いつもより、早くねーか? そうやって騒ぐの・・。 G 親父さん・・、よくわかんね~けど、とにかく凄い。 俺も、碓井は何度も走ってるけど、次元が違うっつ~か。 こんなの、普通の車の動きじゃ・・ねえ・・し。 (Gのかかり方が、半端じゃない!) ブォンブォン~。 クイクイッ! ドンッ! ドシューー!!。 クイッ!クイッ! キュイーーーーーーーン G ま、マジでヤバイ!! 助手席の珠喜は、もう逝っちゃってるし・・。 俺も、意識が朦朧としてきた。 ドンッ!ドンッ! ドシューーーー。 ブォンッ! ブォンッ! 碓井の峠を颯爽と走り抜けていく、メタリックブルーのBRZ。 時に、スキール音を奏でながら、秋の碓井に、流れるような美しいラインが描かれていく。 かつて、峠のマジシャンと呼ばれていた男。 その神業とも呼べる、ハンドリングとアクセルワークは、今もなお、健在である。
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