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夕飯は三條くんのリクエスト通り、お肉!生姜焼きである。そして昨夜同様、テレビのチャンネル争い。まあ、負けるのは昨日も今日も私なのだが。
チラリと、三條くんの横顔を盗み見る。今から、ドキドキして止まらない。それは、昨日とは明らかに違った気持ちだ。ついそわそわしてしまって、挙動不審になる。
お風呂に入って、髪の毛を乾かして…鏡の前の自分に目をやる。
(大丈夫かな?私、綺麗かな?)
今更、何をどうしたところで変わることなどないのだが。硬直する頬をバシッと叩く。そして、思い出す。
「………。よし!」
自室の扉を開けると、昨夜と変わらない。三條くんが私のベッドの上でスマートフォンをいじっていた。何故だろう。…私は、その姿を目に焼き付けた。
「何?」
「ううん、何でもない。」
昨日は真っ暗にした電気。けれど今日は、橙色の豆電球をつけた。そして三條くんの隣りに潜り込むと、三條くんはスマートフォンの明かりを消して。昨夜と同じように私を抱きしめて、額にキスを落とすと目を閉じた。
「………。」
ドキドキ
ドキドキが、止まない。止みそうにない。それでも、
(…触りたい。)
私は右手を伸ばすと、三條くんの左頬に触れた。その時、三條くんの目がゆっくりと開く。
「………。」
「………。」
見つめ合って、どちらからともなく口付けると、私は三條くんの背中に腕を回した。
「…んっ。」
キスが止まらなくって、無理やりこじ開けられて口内に入ってきた三條くんの舌が、私の舌をとらえる。
すると、三條くんの長くて美しい指先がするり…私の寝間着の下に滑り込んできて肌を撫でられた。
「んんっ。」
何故だろう。息が苦しいほどの熱い口付けなのに、頭が朦朧とするのに、
(触りたい。…三條くんに、触りたい。)
そんなことが頭に浮かぶのだ。そして先ほど三條くんがしたように、私も三條くんのTシャツの下へ指先を忍ばせて、初めて三條くんの背中に直に触れた。
(さらさらしてる…広い。)
するとここで、漸く三條くんが口を離した。
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