はからずもえにし

再会

「表は大通りなんでタクシーは捕まると思います。私が狭山先生をお送りします」

なのですみませんが、後よろしくお願いします。と先生達に断って紫先生を何とか立たせると肩を貸してお店を後にした。

いくら細身とはいえ、背丈のほぼ変わらない相手を女ひとりで抱えるのはなかなかにしんどい。
それでも、私はこの役目を誰かに譲る事はしたくなかった。

紫先生をタクシーに乗せて、続けて私も乗り込む。この状態だと紫先生の家に連れて帰るのは無理……だろうな。

「どちらまで？」

運転手の問いかけに自宅の住所を伝えた。