噂とヤキモチと涙

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噂とヤキモチと涙

それから、週に一度くらいの頻度で私たちは二人で屋上で過ごした。 たわいもない話をしたり、たまに真面目な話をしたり、殆ど会話もない日もあった。 そうして回数を重ねる程に私の紫先生への気持ちは膨れ上がっていった。 そして卒業式も間近に控えたある日、紫先生が他の先生と付き合っているという噂が流れた。 そして屋上で、その噂について紫先生に聞こうと思ったら声が出てこない。 もし、嘘なら……それでいい。 でももし、本当だったら? 私は……それを確かめるのが怖いんだ。 結局、その日私がその事実を確かめる事は出来なかった。それどころか、何も聞けないまま先生の前から逃げ出してしまった。 そして迎えてしまった卒業式前日。私は紫先生に呼び出されて屋上に居た。 「芽依子、この間から様子おかしいよ?何かあった?」 紫先生は、最近では二人きりの時は下の名前で呼んでくれるようになっていた。 最初はくすぐったい感じがしていたけど、次第に慣れて、名前で呼ばれる事が嬉しくなった。そして屋上での時間も今まで以上に特別な時間になった。 聞きたいけど、聞きたくない。 「芽依子?」     
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